2010年2月12日金曜日

「Google Buzz」登場。いったい何に、どうやって使うのか…

今週発表された「Google Buzz」というGoogleの
Twitterライクなサービスが波紋を呼んでいます。





・主な機能
Gmailと統合された形で提供されている「Google Buzz」は
基本的にはTwitterのようにつぶやきを投稿していくサービスです。
また、チャットの、YouTube、Picasa、Flickrなど他のウェブサービスの
更新情報も自動的にフィード表示が可能です。

機能としてはfriendfeedのようなソーシャルプラットフォームといえます。
地図情報とも連動しており、iPhoneなどから投稿すると位置情報をもとに
Google Buzz MapにBuzzが表示されるようになります。


・Gmailと統合されている理由
実際にBuzzを使ってみると「オープンなチャット」といった印象です。
メールと統合されている理由は、おそらくBuzzがメールとチャットの
中間に位置するサービスだからではないかと思われます。
Buzzによって会話が可視化されるので、フォーラムのような使い方や
位置に基づいたTipsの集積が可能です。

この機能が社内用にあればかなり便利です。
Twitterのように文字制限はないので、議論や情報共有にはもってこいです。
その点、Waveは「作業」にフォーカスがあたっているので、
Buzzとは用途が異なります。
もしかすると、Google Appsを社内で導入している企業には
「使える」サービスかもしれません。


・問題点 -さっそくセキュリティ、プライバシーに関する議論が
Buzz発表後、多くの人がお試しをする中で、セキュリティや
プライバシーの問題があるのではないかという議論が起きています。

まず、Buzzを開始すると、よくメールやチャットをする人を自動的に
フォローします。そしてフォローしている人のリストは公開されます。

さらに、Buzzを開始するに当たってGoogleプロフィールに名前の登録が
必要なため、かなりの人が実名を登録しています。その情報も公開されています。
なお、ハンドルネームを登録すると、メールの差出人名が
ハンドルネームになってしまうようです。

iPhoneなどモバイルから投稿した場合、設定を変えないと
自動的に位置情報も投稿されてしまうため、居場所がわかってしまう、
ということもユーザーの間で懸念されています。


このように、リアルに連絡をとっている人との関係性や位置情報が
公開されてしまうことから、プライバシーや情報漏えいの可能性があり
リスキーであるという指摘がされており、Buzzの利用をやめる人が
出てきています。

*この問題についてはGoogleがブログで対策を説明しています。
Google バズ を快適にお使いいただくために



・所感
Buzzは企業向けのサービスとして有益なのではないかと考えます。

メールでもチャットでもない、リアルタイムかつ
オープンな会話が可能になるからです。

字数制限がなく、さまざまな種類の情報を
ビジュアルに扱えるという点でTwitterとも異なります。

しかし、現在はセキュリティの問題などがあるため、
仕組みを理解して利用することが重要です。


その「セキュリティの問題」に関しても一概に「問題である」
「間違っている」とは言い切れない、というのが私の意見です。

少なくとも使い方がわかっていれば対策ができますし、
メールを基軸にしたネットワークと、ソーシャルネットワークが
統合されることでビジネスにもメリットがもたらされるのではないでしょうか。

これは、Googleなりの「ソーシャル化」の解釈であり、
従来のソーシャルネットワーキングと一線を画すサービス
なのではないでしょうか。
言い換えれば、「ソーシャルネットワーク」の再定義です。

ソーシャル検索にも踏み出そうとしているGoogleがこれからどのような形で
ソーシャルネットワークに本腰を入れていくのか、ネット界の巨人から
目が離せません。



<ご参考>
・Google Buzz


・Google バズ プライバシー ポリシー


・Google バズ を快適にお使いいただくために



・「Google Buzz」はカジュアルな会話を楽しむ場、グーグル説明会 (INTERNET Watch)


・ソーシャルウェブテクノロジーに見る,Google Buzzの本当の意味 (gihyo.jp)


・「Google Buzz」で本名や居場所がばれる? ネットで騒動に(ITmedia)


・WARNING: Google Buzz Has A Huge Privacy Flaw(Business Insider)



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2010年2月5日金曜日

ソフトバンク決算説明会にみる、「予感」させるPR

2月2日に行われたソフトバンク決算説明会でTwitterによる実況や
Ustreamでのライブ中継が大きな話題となりました。

私も少しだけですがUstreamで説明会の様子を見てみましたが、
Twitterタイムラインの流れが異常に速く、6000人近い人が視聴していました。

また、孫社長自身もTwitterアカウントを持っており(@masason)、
同日発表したUstreamへの出資に関連してユーザーから表参道の
ソフトバンクショップにUstream用のスタジオを作って欲しい、
という要望がTwitter経由で寄せられ、「了解。作りましょう!!」と
答えるなどTwitterを活用したユーザーとのコミュニケーションや
即断即決の姿勢に多くの賛辞が送られていました。

なぜこれほどまでに企業の決算説明会が話題になったのかを考えてみると、
ユーザーに「何かある」と期待させる、予感させることに成功しており、
なおかつ本当に「何か」を実現させることができたからではないかと思います。

今回ニュースリリースはありませんでしたが、事前にソフトバンクの
Webサイトトップページに決算説明会をTwitterやUstreamを活用して配信する、
というバナーが出され、ITmediaなどメディアに取り上げられていました。
また、それより以前に孫社長のTwitter開始や社員全員がTwitterを使うよう
命じられるなど、何か変化がおきていることを感じさせていたのです。

PRの観点から見れば、話題が広がる土壌をあらかじめ整えておくことで、
メッセージを伝え、話題を広げることができるのです。

なお、株価をチェックしてみると、ソフトバンクの株価が2/2に上昇し、
2/3も高値から始まっていることがわかります。

Appleも「予感させる」ことがうまい企業ですが、いかにユーザーの期待感を
醸成し、なおかつその期待にこたえていくことができることを示すこと、
それがこれからの企業広報に求められることなのかもしれません。



<参考資料>

[ソフトバンク ニュースリリース]
Ustream, Inc.への出資について

[ITmedia]
孫社長「Ustreamスタジオ作る」 Twitterで即断

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